教育相談課では毎年2学期に、2年生・1年生を対象とした「いじめ問題・悩みに関する調査」を行ってきました。今年度はそれを改訂し、数値化できる質問「問A」と、自由記述「問B・問C」の、大きく二つの内容としました。この結果はまず学年団会議で報告・検討され、共通理解をはかった上で、各クラス担任を中心に学年団で対応したり、継続的に注意を払ったりしています。また、教育相談課でも課会を開き、結果の報告・分析をし、今後の対応などについて検討しながら、よりよい方向性を模索しています。 |
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「問A」質問項目 |
2年 |
1年 |
1 |
生活のリズムが整わず、体調をよく崩す。 |
2.0 |
2.1 |
2 |
友人関係で悩むことがよくある。 |
2.0 |
1.9 |
3 |
学校内に信頼して相談できる人がいない。 |
1.6 |
1.7 |
4 |
勉強の仕方がわからず、集中できない。 |
2.4 |
2.4 |
5 |
将来の見通しが立たず、気力がわかない。 |
2.2 |
2.2 |
6 |
学校に行きたくないとよく思う。 |
1.8 |
1.7 |
7 |
先生は私の話を聞いてくれない。 |
1.5 |
1.6 |
8 |
先生は成績で生徒を差別する。 |
1.9 |
1.9 |
9 |
先生は授業の進め方が悪く、説明がわからない。 |
2.0 |
2.1 |
10 |
私には友人がいない。付き合いがうまくいかない。 |
1.3 |
1.3 |
11 |
私はいじめられている。 |
1.2 |
1.1 |
12 |
からかわれたり,手を出されることがあり、いやだ。 |
1.3 |
1.4 |
13 |
言葉や態度で傷つけられることがある。 |
1.6 |
1.6 |
14 |
クラスの中に改めるべき問題がある。 |
1.8 |
2.2 |
15 |
いじめたりいじめられたりしている人がいる。 |
1.5 |
1.5 |
16 |
人が私をどう思っているのかとても気になる。 |
2.3 |
2.4 |
17 |
私のことをわかってくれる人は一人もいない。 |
1.4 |
1.5 |
18 |
家族は私に過剰に期待をかける。 |
1.8 |
1.8 |
19 |
家族には、悩みがあっても相談できない。 |
1.9 |
1.9 |
20 |
私の落ち着ける場所はない。 |
1.5 |
1.4 |
平 均 |
1.8 |
1.8 |
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@【問A】について |
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左の表は「4=あてはまる 3=ややあてはまる 2=あまりあてはまらない 1=あてはまらない」の4件法で回答してもらった「問A」について、各学年ごとの平均値を示したものです。
[質問14]については1年生が2年生を0.4ポイント上回っていますが、その他の項目についてはほとんど差がありません。このことから、学年にかかわりなく本校生徒の傾向を大きくとらえることができます。
[質問11]について「4」と答えた人は2年生3人、1年生0人でしたが、[質問15]について「4」と答えた人は2年生5人、1年生6人で、本人の感じ方と周りの受け止め方の違いが若干出ています。
ポイントの高い項目を見ると、まず、[4勉強][9授業][5将来の見通し]に関するものがあげられます。これらについては、本校生徒にとっての大きな関心事であり、それだけに不安や悩みが伴うのかもしれません。また、[16人が自分をどう思っているのか][2友人関係で悩む]についてもポイントが高い反面、[10友人がいない、付き合いがうまくいかない][17わかってくれる人がいない]については、ポイントが低くなっています。友人関係についてはさまざまな局面があり「悩むこともあれば、うまくいくこともある。人からどう見られているのかは、やはり気になる」ということでしょうか。 |
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A【問B:朝日高校に「いじめ」はありますか。あるとすればどのようなことですか】について |
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「ある」「ない」「よくわからない」「なにがいじめなのか、人によっても感じ方が違う」などの意見がありました。
また、「あるとすれば」→「仲間はずれ」「悪口」「無視・シカト」「嫌がらせ」「言葉の暴力」「冷笑」「いじり」「からかい」「ネット上での悪口」「物を隠す」「あらぬ噂」「笑いのネタ」などがあがりました。 |
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B【問C:もしも、「いじめ」にあったり、悩んでいる友人がいたら、あなたはどうしますか】について |
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「話を聞いてあげる」「相談にのる」「励ます」「周囲(先生・親・友人)に相談する」「いじめられている人のそばにいる」「その人のしてほしいようにする」「一緒に解決する」「クラスにいじめが起こらない雰囲気をつくる」「いじめる側に理由を聞き、改善につなげる」「いじめる側にはっきり注意する」「できるだけ自分で解決する」「いじめには加わらない」「助けたいが、なにもできそうにない」「ほっておく」「どうしようもない」「傍観者を決め込む」「人による」「ながれにのる」などがあがりました。 |
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以上のような結果から「本校にもさまざまな課題があり、実際にそのような場面に出会ったときには、その対応が必ずしも容易ではない」ことがわかります。しかしながら、ほとんどの生徒が「いじめは悪い行為であると考え、可能であるならなんとかしたい」という誠実な思いをもっているようです。と同時に「現実には解決が難しいので、結局はなにもしない」と答える生徒もあり、この問題の難しさを改めて感じさせます。
教育相談課は、いじめ問題に毅然とした態度でのぞみ、悩んだり迷ったりしている生徒の支援をします。いじめられている人、いじめている人、なにもできずにいる人、どんな生徒の話も、その人の立場で聴かせてもらいます。私たちはいつもあなたのそばにいること、そして、あなたにはかけがえのない未来があることを、忘れないでください。あなたは、決してひとりではないのです。 |