◆『相談課便り』第31号◆ ようこそ! 岡山朝日高等学校のホームページです
『相談課便り』第31号 コンテンツ
「Happy-go-lucky」 時岡 英雄
「言い訳を聴く」
「それぞれの「金」を!!」 小野 公生
「ピア・サポート活動に参加して」 2年生女子
「いじめ問題・悩みに関する調査」
結果概要
 神田 美紀
<平成24年12月発行>
 <表面>
 <裏面>


 「Happy-go-lucky」   時岡 英雄
 英語にhappy-go-luckyという言葉があります。良い意味で「楽天的な」、「気楽な」、「成行きまかせの」といった意味です。何より音がいい。「ハッピーゴーラッキー」、何度も口ずさむだけで気分がよくなる音とリズムだと思うのですが・・・。
 「幸せが幸運へ」といっても、何が幸せなのでしょう。何を幸せと感じられるのでしょうか。ただ言えるのは、幸せな時は感謝の気持ちで一杯になるということです。その状況にありがたいと思えることです。
「ありがたい」とは「有り難い」こと。毎日の日常の中で、時に思いがけないことに出会うことがあります。ラッキーなことと感じたり、アンラッキーと思えたり。人はその時その時で様々に解釈します。しかし後に振り返ると、一つ一つの出来事は流れの中でまた違った意味を持つものです。「人間万事塞翁が馬」・・・。 
思わぬ出来事が幸運へと続いていく。「happening-go-lucky」とも言えます。ただ、いつもいつもハプニングだらけだと、きっと疲れてしまいます。何気ない平凡な日常を送っているからこそのハプニングです。ハプニングの感受性を高めるには、平凡に勤勉であることが必要なのかもしれません。
日々忙しい毎日を送っている朝日高校生の皆さん。その毎日に勤勉である中で、思わぬ出来事に出会うことでしょう。「有り難い」ことです。「幸運」へと進んでいくのです。
人生は「happy-go-lucky」なぐらいが、ちょうどいい。


 保健室の窓から   「言い訳を聴く」
 「課題をしようと思ったんだけど、ついついテレビを見てしまって…。」「テストが近いのに、風邪引いてしまって…。テストの結果は散々だし、身体はまだだるいし…」こんなつぶやきとも、言い訳ともつかない言葉を、よく保健室で聴きます。
  言い訳をしている彼らの表情は、すこし伏し目がちで元気はありませんが、話をしているうちに「やっぱり、自分が課題に早くとりかからなかったから…。今度は頑張ろうかな」「プレッシャーに弱いということかな。次は自己管理に気を付けよう」の言葉を聴くことができます。
  自分の思い描くように物事はなかなか進んでくれず、「こうありたい自分」と「今の自分」とのギャップに、人はつまずいたり、悩んだりします。言い訳は、ネガティブな感情の棚卸しの役目をし、「こうありたい自分」の存在を明確にするのかもしれませんね。(*^_^*)     (MIKI)

 「それぞれの「金」を!!」   小野 公生
 本年の漢字が先日「金」に決定したことは記憶に新しいだろう。「金」といえば、やはりロンドンオリンピックの金メダルが真っ先に頭に浮かぶ。皆さんはどの競技に惹かれただろうか。私はボクシングに感銘を受けたが、男子ミドル級決勝で優勝した村田諒太選手よりも、清水聡選手がメダルを取った瞬間の方に喜びを覚えた。金ではなく銅メダルではあったものの、44年ぶりのメダル獲得であったことが日本を活気づけてくれたからだ。また、同時に清水選手は岡山県総社市出身であり、我々岡山県人が岡山という郷土に誇りを持てるきっかけになったことも喜ばしいと思った理由である。
 ボクシングは激しい格闘技であり、一発KOというドラマティックな展開を期待している人が多いかもしれないが、単に力任せのスポーツでは決してない。むしろ、綿密に計算した上での頭脳戦が多いのである。短い時間で集中力を研ぎ澄まして考え抜き、精魂尽きるまで動くさまは実際に経験した者でしかわからない。人生の縮図ともいえるものが詰まっていると言っても過言ではない。
 さて、ボクシングを例に挙げてきたが、決して勧めている訳ではない。しかし、皆さんには、自分自身が精魂尽きるまで向かい合えるものを見つけてもらいたい。そして、壁にぶつかったり人生の選択を迫られることもあるが、その上で得られた結果には自信を持ってもらいたい。清水選手もアマチュアかプロかを迫られたときに、自分の信念を持って生きていったからこそ今回のメダル獲得があったのだと思う。
 これから広い世界へ羽ばたいていく皆さんに贈るエールとなれば幸いである。


 ☆平成24年度ピア・サポート活動に参加して☆  2年生女子
 高校に入学する前から気になっていた「ピアサポート同好会」さすが、朝日には聞いたことのないような同好会があるなぁと思っていましたが、そんな「ピアサポート同好会」で、ここまで活動を深めることが出来てとても嬉しいです。
 ピア・サポーターとして活動するのは高校で初めてですが、今やっているようなこと(黒板消し、あいさつ)は小学校でも中学校でもやっていました。やっていることは同じです。しかし昔とは少し異なるところがあります。それはやっている時の心持ちです。小さい頃は、考え方が単純なので「先生に誉められたい」「友達から好かれたい」という気持ちだけでした。でもそれは周りの人から見れば出しゃばりであったり、良い子ぶっている姿であったりして、自分が求める反応と真逆であることが多かったです。そして、相手を責めてばかりしている間はとても苦しかったです。しかし、だんだん精神的に成長していくなかで、この「ピア・サポート」との出会いは私の考え方を大きく変えてくれました。
 2年間みっちりピア・サポート・トレーニングに参加して最近よく頭に浮かぶことは「ひとりひとりが、社会の一員として認められる」ということです。ピア・サポート活動はどれもひとりの人間がひとりの人間として存在していることを前提に行われているなと思います。アドバイスというものが時に存在をいつの間にか否定するものになってしまうということを知ることが出来たのは、とても大きな発見だと思っています。
 これからも自分を信じて、ピア・サポートで学んだことを踏まえて様々な挑戦をしたいと思います。

 「いじめ問題・悩みに関する調査」結果の概要     神田 美紀
 毎年この冬の号では、「いじめ問題・悩みに関する調査」の結果を報告しています。この調査は,教育相談課として長年継続的に実施しているものです。生徒の皆さんが「いじめ問題」についてどのように思っているか、日々どのような思いで学校生活を送っているかを調査し、その結果を共に考えることで、気づきや行動変容に結びつくことを期待しています。また、学校でも結果を共有し様々な問題に迅速に対応できるよう協議しています。

問A 【いじめ・悩みについての質問】の結果 (抜粋)
☆全体的な傾向
 「体調をよく崩す」「勉強・成績のこと」「将来の見通し」「他人からの評価」の項目は、例年と同じくややポイントが高くなっていますが、「勉強の仕方」「将来の見通し」の項目は、学年が上がる毎にポイントが低くなっています。これは、学校生活を通して自らの進むべき進路を見つけ、学習に意味を見出した結果だと思われます。しかし、生徒の多くが勉強面や将来についての悩みを抱えており、一番の関心事であるだけに不安や焦りなどの気持ちも大きいようです。「人の目が気になる」の項目については、毎年どの学年でもポイントが高く、他人との関係の中で自意識が高まるのもこの年代では当然のことと言えます。また「友人関係」や「学校生活」で悩んでいる1年生の割合が、他学年や例年と比較するとやや少ない傾向にあります。

  「問A」質問事項
 3年  2年  1年
 a 生活のリズムが整わず,体調をよく崩す。  2.0 2.0  2.0 
 b 友人関係で悩むことがよくある。  1.8 1.9  1.7 
 c 学校内に信頼して相談できる人がいない。  1.7 1.7  1.6 
 d 勉強の仕方がわからず,集中できない。  2.2 2.3  2.4 
 e 将来への見通しが立たず,気力が湧かない。  2.0 2.1  2.2 
 f 学校に行きたくないとよく思う。  1.9 1.8  1.7 
 g 私には友人がいない。付き合いがうまくいかない。  1.4 1.3  1.2 
 h 私はいじめられている。  1.2 1.2  1.1 
 i からかわれたり手を出されることがあり,いやだ。  1.4 1.3  1.2 
 j 言葉や態度で傷つけられることがある。  1.5 1.5  1.3 
 k クラスの中に改めるべき問題がある。  1.5 1.7  1.5 
 l いじめたりいじめられたりしている人がいる。  1.3 1.4  1.2 
 m 人が私をどう思っているのかとても気になる。  2.2 2.3  2.1 
 n 私のことをわかってくれる人は一人もいない。  1.5 1.5  1.3 
 o 家族は私に過剰に期待をかける。  1.8 1.8  1.7 
 p 家族には,悩みがあっても相談できない。  1.8 1.8  1.6 
 q 私の落ち着ける場所はない。  1.4 1.4  1.3 
1=あてはまらない 2=あまりあてはまらない 3=ややあてはまる  4=あてはまる
の4件法で回答し,平均値を表す

☆友人関係の悩みについて
 思春期~青年期を迎え、心と身体の変化に自分自身とまどいながら、その不安定さの中で人間関係、勉強のことなど、悩みは増える一方です。特に人間関係が広がる高校時代には仲間から嫌われていないか、友人といかに上手につきあうか、ということで不安に思っている実態がこの調査からも見えてきます。
 悩み苦しむことは、決してマイナスではなく精神的な成長の上では大切な過程です。自分で解決法を見いだしたり、自分の中で折り合いをつけたりしながら大人へと成長していくものです。他人との関係において自分をみつめ、自我の確立をしていくのが、この年代の特徴ともいえます。

☆いじめの実態について
  質問h~lまでがいじめに関連した項目であり、その数値は高くはないものの毎年皆無ではなく、いじめにつながるような「からかい」や「言葉の暴力」を含めると、本校にもいじめ問題は存在するということです。こういった行為は、軽い気持ちから何気なく行われているかもしれませんが、された方は想像以上に辛い気持ちになり傷ついているのだということがわかります。周囲の人もそのような場面を見たり聞いたりして不愉快な気持ちになり、クラスに改善すべき点があると答えていると思われます。


問B 【朝日高校に「いじめ」はありますか。あるとすればどのようなことですか】 について(自由記述)
 「知っている限りではない」「あまりない」「目撃したことはない」「知らない」が多数の意見でしたが、「軽いからかい」「陰口」「悪ふざけ」「冷笑」「特定の人を避ける」「成績で人を差別」「ネット上で悪口を
書く」などいじめとも思える事ならたくさんあるという意見も少数ありました。


問C  【もしもいじめにあったり、悩んでいる友人がいたら,あなたはどうしますか】について(自由記述)
 「相談にのる」「一緒に改善策を考える」「積極的に話しかける」「両方の話を聞き仲裁をする」「先生や親に相談する」「孤立させない」「陰ながら手助けする」「ピアサポーターとして助ける」など、解決について積極的な記述が例年以上に多くみられました。また「何もできない」「放置する」「自分で乗り越えるしかない」という回答も少数ですがありました。
 解決にむけて、多くの人が自分なりにできそうな事を考えて回答してくれたことを嬉しく思いました。この思いがクラス全体、学校全体に広がってくれることを期待しています。


(*^_^*) 教育相談課では、悩んだり迷ったりしている人の支援をしています。いじめられている人、いじめているひと、何も出来ずにいる人、どんな生徒の話もその人の立場で聴かせて らいます。何かすっきりしない思いを抱えて苦しい時には遠慮なく相談に来てください。また、これっていじめかな?と思うようなことを見聞きした時にも是非話をしに来てください。
私たちはいつもあなたの側にいること、そして、あなたにはかけがえのない未来があること、忘れないでください。あなたは決してひとりではないのです。 (*^_^*)





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