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『相談課便り』第41号 コンテンツ
「教育相談課について」
「学校医によるこころの健康相談」
「スクール・カウンセラーによる相談」
「生徒のセクシャルハラスメント等の相談」
「ピア・サポート活動」
「LHRでの活動」  
「相談課のスタッフ紹介」
変えられること 荒江昌子
<平成27年6月発行>
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 <裏面>

 「教育相談課について」   
 教育相談課では「安心して相談できる場」の提供を最も重要なこととして考えています。深刻な相談だけでなく、ささいな気がかりであっても、どうぞお気軽にご相談ください。面接相談と、電話相談の両方を行っています。また、生徒からの相談だけでなく、保護者の皆さんや教職員からのご相談にも対応させていただきます。スタッフは12人で、次のような方針で相談活動を行っています。
 
 ①相談に来た人を主人公とします
  無理に話をさせられたり、解決方法を強要されることはありません。あくまでも相談に来た人が主人公です。
 ②秘密は厳重に守られます
  相談をする過程で知り得た個人に関わる情報や、相談の内容は、相談に来た人の了解なしに第三者に(例えば、担任の先生・顧問の先生などでも)話すことはありません。ただし、命にかかわるような場合や犯罪に巻き込まれる可能性の予測されるような場合は例外とします。しかし、このような場合もできるだけ本人の了解を取ることを基本としています。
 ③気持ちを大切に、共に考える姿勢で対応します  
  相談室では、魔法のような解決策が用意できるわけではありません。不登校の人が相談に来た翌日からすぐに登校できるような方法を提供できるとは限らないのです。だったら、相談しても仕方がないでしょうか?…いいえ。相談室では、相談に来た人の気持ちを大切にしながら、これからどうすればよいかを共に考えることはできると思っています。今の在り方をまずは受け入れることから始めて、本人の意志を尊重しながら、共に考える姿勢で取り組んでいます。
 ④予防的・開発的教育相談も提供します
  教育相談として一般的に考えられている、悩み相談やカウンセリングなどは、問題解決的教育相談です。相談室では、こういった取り組みのほかに、リラクセーションや自己理解、コミュニケーションスキルなど、予防的・開発的教育相談も紹介しています。これらは、よりよく生きていくための指針になったり、問題が発生するのを未然に防ぐことに役立ったりするものです。
 ⑤特別支援の観点からも細やかに対応します
  特別支援教育コーディネーターの信宮先生を中心に、スクール・カウンセラーの先生、校医の先生、相談課のスタッフおよび担任など関係の先生方と連携することで、より効果的な支援ができるように対応します。
     

 「学校医によるこころの健康相談」    
 本校では精神科校医の中野善行先生による「こころの健康相談」を計画し、各回ごとに文書でご案内を差し上げています。専門のお立場からのアドバイスやご支援をいただくことができます。本年度の第1回目は終わりました(5月28日)が、このあと7月・9月・11月に実施する予定です。

 「スクール・カウンセラーによる相談」   
 昨年度に引き続き、スクールカウンセラーとして森口章先生に来ていただいています。先生は高校教師をご退職後、現在は「沢田の杖塾」を主宰され、山陽新聞の相談欄を担当されたり、講演会に回られたり、多方面で活躍されています。本校では、年間12回にわたって生徒や保護者の相談に応じていただいたり、研修会や事例検討会などにもお力添えをいただく予定です。今後の来校予定は以下の通りです。
  6/12(金) 7/13(月) 8/21(金) 9/25(金) 10/23(金) 11/11(水) 12/12(土)1/15(金) 2/3(水) 3/17(木)
*「こころの健康相談」「スクールカウンセラーによる相談」は予約が必要です。  
 教育相談課(荒江昌子・神田美紀)または担任までお申し込みください。
               TEL  272-1271(岡山朝日高校)

 「生徒のセクシャルハラスメント等の相談」    
 生徒のみなさんがセクシャルハラスメント等のことで相談したいときには、
次のスタッフが対応させていただきます。担任も相談に乗ります。
   荒江 昌子 (国語科・教育相談課長)    
   大口 正行 (保健体育科・保健主事) 
   永田 宏子 (地歴公民科・教育相談係)
   神田 美紀 (養護教諭・教育相談係)

 「ピア・サポート活動」   ★支え合う心を育て、あたたかな学校風土作りを目指します★ 
 生徒の間に相互支援の力を育てるピア(仲間)サポート(支援)活動を、本年度も実施します。
この活動を通じて、生徒が自己肯定感を増し他者を尊重し(自重互敬)、いじめや不登校の起こりにくいあたたかい風土が築かれることを目指しています。人の間で生きていく中で、誰かとつながっているという思いはとても大きな力を与えてくれます。希望者を募り(6月)、トレーニングを行い(8月)、夏休み後半から実際の活動に入ります。その後は、活動を報告したり新たな取り組みを考えるフォローアップセッションを実施します。トレーニングでは、「話の上手な聴き方」「自己理解」「リラクセーション」「対立の解消」などについて学びます。この活動を通して、たくさんの笑顔に出会わせてもらっています。将来、教師や医師・看護師・保育士などの仕事に就きたいと考えている人には、ぜひとも学んでほしい内容ばかりです。本年度もたくさんの生徒の参加を待っています。

                                              
 「LHRでの活動」    
  教育相談課では、LHRの「人間関係作り」において、学年団からの要請に応えて、「協力して課題を解決する」グループ・ワーク・トレーニングや自己理解の機会なども提供しています。去る 4月14日・22日(1・2年生)のLHRでは、「自分を知り・他者を知る」ことで人権を尊重する意識を育てることを目標としたワークショップを実施し、好評でした。また、近年注目されてきた特別支援の観点にも立って、スクール・ カウンセラーの先生、校医の先生、相談課のスタッフおよび生徒課の先生方とチームを作って生徒を支援する活動も行っています。事例の内容によっては、特別支援学校とも連携して効果的な支援ができるようにしたいと考えています。 2学期には、ピアサポーターや保健委員が運営する「上手な話の聴き方」(1年)・「リラクセーション」(2年)のLHRを計画しています。

 「27年度 相談課スタッフ自己紹介」  よろしくお願いいたします。  
   
依田耕治 Koji Yoda(3年D組甲担任・理科)
 最近はまっているのはウォーキングです。一日一万歩を目標に,歩数計携帯中。適度な運動は健康の維持だけでなく,脳も活性化するのではないでしょうか。ウォーキング中によくおもしろい発想がでてきます。軽い運動をしながらの学習も効果があるかもしれません(くれぐれも事故をしないように)。化学準備室によくいます。もちろんウォーキングトーキングもOKです。
 
福田遥 Haruka Fukuda(3年G組甲担任・英語科)
朝日高校に勤めて5回目の春を迎えました。この学校でしか出会うことのできない、胸の高鳴る瞬間、そしてそれを味わうためのヒリヒリした想いを、授業で、廊下で、行事で、みなさんと共に経験し、自分の高校時代にも増して、濃い青春を過ごしています。そのままそこにいてくれてありがとう、と高校生だった自分にも声をかけてあげたいです。どうぞよろしくお願いします。

内田康晴 Yasuharu Uchida(3年H組乙担任・数学科)
 最近「Dr.倫太郎」というテレビ番組を毎週見ています。あんな精神科医が身近にいて自分をケアしてくれたらどんなにいいだろうと思いながら。
 「倫太郎」のようなことが出来るわけではもちろんないですし、むしろ諸君に勉強するようにプレッシャーをかけストレスを与えている存在なのかもしれませんが,もし私でよければどうぞ話しに来て下さい。

小網晴男 Haruo Koami(2年B組乙担任・理科)
 私達のルーツは,これから何処へ向かおうとしているのか?140億年の宇宙の歴史,46億年の地球の歴史を紹介しながら,答えの出ない問いに悪戦苦闘しています。如何なる成長段階であっても,”The important thing is not to stop questioning.”は重要ですね。物理準備室や多目的教室に生息しています。一度,美しいAT火山ガラスを見に来ませんか? 

島村精二 Seiji Shimamura(2年C組甲担任・英語科)
 今年度から教育相談課に所属することになりました。アメリカの作家Robert Fulghumの "We can do no great things; only small things with great love." の言葉通り,できることから誠意をもってやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

大塚崇史 Takashi Otsuka(2年G組甲担任・国語科)
 旭川の桜並木もあっと言う間に緑の木々に変わり、1学期も折り返し地点を過ぎました。新しい年度の期待や不安も「日常」に変わり、落ち着きを見せる一方で、気になること、心配なこと、心のどこかにずっとひっかかっていることがある、という人も少なくないのではないでしょうか。そんなときはぜひ、誰かに話してみてください。友達でも家族でも、そして我々でもOKです。

藤井茜 Akane Fujii(養護助教諭・2年団所属)
 朝日高校に来て2ヶ月が経ちました。みなさんは新たな学年に慣れてきた頃かなと思いますが、頑張りすぎて疲れていませんか? リフレッシュの時間を大切に、みなさんが「良い加減」で学校生活を送れるよう願っています。ちなみに私のリフレッシュ法はバドミントンとピアノです。心や体が疲れたときはいつでも保健室を訪ねてきてくださいね!

信宮優子 Yuko Shingu(1年A組甲担任・英語科)
 我が家にはジャコウアゲハが毎年やってきます。この蝶の幼虫はウマノスズクサという草しか食べないので、必ずこの草に卵を産みに戻って来ます。まるで「飼い蝶」のように。
昨年中村桂子先生の140周年記念講演会にて「蝶は前脚に舌が付いています。前脚で葉の表面をたたくドラミング行動をし、そこにある味覚器官で味を感じます。」と教えていただき、今年は蝶の前脚に注目中です。また、この草はとても香ばしい匂いもするので、蝶は匂いでこの草を探すのかな?だったら蝶の鼻はどこかな?と考えてみたり。にわかscientist気分です。朝日140周年に感謝です。(お答え:蝶の鼻は「触角」にあるそうです。)

橋本美未 Yoshimi Hashimoto(1年G組甲担任・国語科)
 みなさんを見ると、自分の高校時代を思い出します。自分自身の高校時代の気分を色で表すと「グレー」。勉強や友人、学校行事…毎日、目の前にハードルのようにいろんな事が現れた日々でした。高校時代を今振り返ると、なぜか「グレー」ではなく、ほんのりと色づいて見えるので不思議です。気分が「グレー」で重たい人がいたら、いつでも声をかけてみてくださいね。

松北髙行 Takayuki Matsukita(1年G組乙担任・音楽科)
 音楽の松北です。みなさん新学期になり「あれもこれもがんばらないと・・・。」と、毎日忙しく過ごしていたらもう6月。この2ヶ月を少し振り返り、がんばってきた自分を褒めてあげて下さい。そして何か困っていることがあったら、いつでも声をかけて下さい。一緒に考えましょう。

永田宏子 Hiroko Nagata(1年I組乙担任・地歴公民科)
 バタバタとした怒濤の春が過ぎようとしていますが,みなさんうまく乗り切れましたか? 新しいクラス,新しい友達,新しい先生……新鮮でワクワクする一方で,不安や心配もあったのではないかと思います。完璧は美しいけれど,ほどほどもまたよし。朝日高校での生活があなたにとってちょっとしんどくなった時,声をかけてください。いっしょにいい方法を考えましょう。

神田美紀 Miki Kanda(養護教諭・1年団所属)
 みなさんは「心身相関」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この言葉は「心」と「身体」という、一見対照的に存在しているような二つのものが相互に関係し、一体のものであるという見方を意味します。「心」が元気になると「身体」も元気に。その逆もよく保健室では目にします。私は、あなたの「心」と「身体」が少しでも元気になるお手伝いが出来たらと思っています。


変えられること    
荒江 昌子 Akiko Arae
 
 遺伝の影響でも、DNAの突然変異でもなく、分子レベルのごくわずかな化学的変化が、目をみはる不可思議な現象を引き起こすことがあるそうです。生物はDNAによって完全にコントロールされているのは確かだけれど、実は環境に応じて「遺伝子発現」はコントロールされており、驚異的な可塑性や多様性を実現できているというのです。
 科学の説明をまつまでもなく、「氏より育ち」とか“Nurture is above nature.”(天性よりも養育)、また漢文では「江南の橘、江北に枳(からたち)と為る」などといいます。もちろん逆の意味の「瓜のつるに茄子はならぬ」という諺もありますが。私たちには、天から与えられた運命~DNA~がもちろんあるけれど、もう一方でそれを変えることも可能だということでしょう。
 運命を変える言葉として、インド独立の父、マハトマ・ガンディーは、こんなことを言っています。

  信念が変われば、思考も変わる 
  思考が変われば、行動も変わる 
  行動が変われば、習慣も変わる
  習慣が変われば、人格も変わる 
  人格が変われば、運命も変わる 

 ものの見方や考え方を変えることで生き方は大きくかわってくるものです。自分で自分の運命を変えようと思うことも必要なんですね。おっと、この話は、遺伝子の力を超えてがんばらなければならない、という風に聞こえるかもしれません。でも、そういうことだけを言いたいのではないのです。別の話を……

 T君は今、大学院の学生です。理系の学生は大学院の修士課程まで進む者が半数以上で、修士課程2年の時に就職活動をする人が多いようです。ところが彼は、どうも就職活動をしないらしいのです。T君の母親は、「成人しているのだからそろそろ就職して独立してほしい」とか「安定した職に就くためには今シュウカツをしたほうが有利だ」とか、様々に説得を試みますが、彼は大学で研究を続けたいと考えているようです。研究職に就くためにはたいへんな努力とさらに運が必要です。母親は心配して、もしだめだったらどうするのか、ということばかりT君に言うのです……。この母親とは私のことなのですが、最近私は、少しものの見方を変えてみました。「なんとかなるわ」「自分でなんとかするわ」というふうにです。リスクについて理解し、その上で自分の思うように生きてそれで経済的に困ったとしても本人は納得できるだろうし、なにより私自身が「貧乏上等」と思えるようになったからです。
 親はとかく子どもを思うようにさせたがるものです。また自分の生活を基準にして、その生き方にはずれるとダメなように思うかもしれません。しかし、子は親を越えて生きていきます。親の期待通りにならなくても、本人が充実した人生を送れたら、それで充分という考え方はどうでしょう。子にとっても同様です。家族の期待を背負っているのにそれに応えられない自分はダメだ、とか。「その期待には応えられないけれど、元気に健康に過ごして努力しているよ、いつか芽を出すよ」と言ってみましょうよ。簡単ではないでしょうが、「ねばならない」という考え方を変えられたら、悩みのトンネルから抜けられるということもあるかもしれません。どうにもならないこともあるけれど、考え方で変えられることもあるのではないでしょうか。
(3年F組乙担任・国語科・教育相談課長)
 

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