夏と言えば「向日葵」と「スイカ」。向日葵はその色といい、ギラギラとした太陽に顔を向けて精一杯咲くその様子といい、見ていてとても元気が出る。「スイカ」もその中に甘い水分をたっぷり含んでいて、小学生の頃は飼っていたカブトムシに餌としてやるのがとてもいやだった。ずいぶん前のことになるが、担任をしていたクラスの生徒に自分の大好きなものとして紹介したことがある。東南アジア出身の家族が、冬に高価なスイカを買って食べる話を英文で読んだ時だった。なかなか日本での生活が楽にならず、辛い毎日を送っているその家族が、つい故郷を懐かしんで冬のスイカを買ってしまうという内容だった。「ほらな、高くても買って食べてしまうほどおいしいってことやろ」「そら、先生だけの話やろ」といったたわいもないやりとりをした覚えがある。そんなことを生徒はよく覚えていてくれて、何ヶ月も経って、ちょうど出産休暇に入る最後のHRで、「先生の元気が出るやつ持ってきたで」と得意気に向日葵の花束と大きなスイカ丸ごと一玉持ってきた。6月の初旬だった。それはそれはうれしかった。しかし、生徒に気もお金もつかわせてしまったこと、当時電車通勤だったお腹の大きい私が、スイカを下げて歩くことも気になった。もちろん、職員室で切り分けて他の先生方と食べるという選択肢もあったが、向日葵と一緒にしばらく家で眺めていたいという気持ちが強く、結局主人に頼みこんで車で迎えに来てもらうことにした。「切ってみんなで食べれば良かったやろ」と主人にも言われ、「誰にもあげずに自分一人で食べよう」とその時決心した。最近スーパーでは切り分けて売られるスイカが主流で、丸ごと売られているのをあまり目にしなくなった。しかし、スイカを見る度に当時の生徒達のやさしい心遣いを思い出す。「これをしたら、あの人は喜ぶかな」「こう言ったらうれしいかな」そんな日々の小さな思いやりが、元気の出ない人には必要な栄養となる。補習は続いているが、夏期休業に入った。今まで懸命に頑張ってきた人ほど、生活スタイルが大きく変化すると心のバランスを崩してしまうことがある。休業中は体調面と共にメンタル面にも注意していただいて、「どうかな」と気になる場合は、担任、相談課まで連絡をお願いしたい。
(柴田みさえ)
※次回スクールカウンセラーの森口先生が来られるのは、8月28日(火)です。
教育相談課関連行事
6月23日 ピアサポート集中トレーニング第1回実施(13:30~16:40)
CYBERDYNE社で臨床心理士をされている池本しおり先生と岡山大安寺高校でスクールカウンセラーをされている大西由美先生を講師にお迎えし、1、2年生保健委員プラス希望者が研修をしました。第1回目ということで、内容は次の通りで実施しました。
・自己紹介ゲーム→緊張感をほぐしてあたたかな雰囲気づくりをする。
・ピアサポート概論→朝日高校で11年目となるピアサポートの活動を振り返りながらその 活動の意味を理 解し、これからの活動を考える。
・グループワーク→グループの構成員それぞれが大切な役割をもっていることを体験する。
・自己分析→エゴグラムを用いて自分自身を知り、対人関係における特徴を確認する。
特に印象的だったのが、ピアサポート概論の中で池本先生に教えていただいた、リフレクティングという方法を用いた活動でした。目の前で行われている対話を聞き、それを聞くことで感じること・思うことを大切にしながら、自分の思いを他の人とシェアリングをし、自分で大切な何かを見つけるというものです。おそらくどの高校でもやったことのない活動で、朝日高校で初めてのチャレンジになりました。
6月26日 スクールカウンセラー来校(生徒・保護者) 相談件数 4件
6月28日 心の健康相談 精神科校医の中野善行先生来校 (生徒・保護者)相談件数 5件
7月9日 いじめ問題対策委員会・特別支援教育委員会・アレルギー対応委員会(教員)
生徒の出席状況、体調面で配慮が必要な生徒、メンタル面で配慮が必要な生徒などについて管理職を含め、課の代表者、学年の代表者で情報共有をしました。
7月10日 一年生でhyper-QU(心理テスト)を実施。
生徒ひとりひとりの状態、及び学級の状態を理解するための客観的で多面的な資料となります。
7月24日 ピアサポート集中トレーニング第2回実施(9:30~16:30)
トレーニングから実際の活動への第一歩。オープンスクールに来てくれた中学生を対象に「お悩み解決相談所」を開設しました。
7月25日 スクールカウンセラー来校(生徒・保護者) 相談件数 3件 |