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『資本論』(カール マルクス)  辰田 芳雄
 
『資本論』は、経済学の本のように思われますが、実際に読んで見ると哲学(論理学)的思考を鍛えるのにもってこいの本だと思います。資本主義社会の象徴である「商品」が人間の活動(価値を生み出す労働)により形成される過程が極めて論理的に、時に聖書のことばが比喩に用いられて、見事に語られます。三巻以後は純粋に経済学なので難解です。本来ドイツ語版ですが、マルクスにより英語版も出版されました。第一巻だけ手にとってみてはいかがですか。本校の図書館には岩波文庫本があります。
                                                       

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス ヴェーバー)  
難波賢次
 
社会学の必読書。プロテスタントの持つ禁欲的な労働意欲と合理主義が資本主義の進展に多大な影響を与えたが、近代化が進むと禁欲的倫理が失われ、利潤追求のみが自己目的化してしまったという内容。大学時代、かじりつくようにして読んだ。投資家が「お金儲けしてなんでいけないんですか!」と開き直り、人それぞれの夢の実現が人生の最終目標であるかのようにいわれる昨今だからこそ、是非読んで欲しい書物。そして神の意志でもなく個人の栄達でもなく、何を目指して生きるのか、じっくり考えて欲しい。
                                                        

『歴史家が見る現代世界』(入江 昭)   
田中 晴美
                                                 
  

『福沢諭吉の「学問のすゝめ」』 (橋本 治)
   荒江 昌子
 今春、実家から離れて一人暮らしを始める人も多いでしょう。また、今年度末で全員が選挙権をもつことにもなりました。大人への第一歩ですね。そんな皆さんに私がお薦めする本は、『学問のすゝめ』初篇の解釈本です。政治に目を向けるために学問をしろ、アホを脱却せよ、というのがテーマです。現在のような政治状況で蒙(バカ)蒙(バカ)(諭吉は蒙を嫌います)のままだとヤバイよということでしょう。政治の他者依存を考え直し、自身も国家も独立せよということです。自分の頭で、自分の言葉で考えるために、これからもしっかり学んでください。
                                                      

『グローバル化の憂鬱』(藤原 正彦)
   秋山 訓久
 
グローバル化とは、国境の壁が低くなり、人・物・金の交流、経済の相互依存が高まり、地球は一つであるという理念に基づくものだ。ところが近年では、格差が拡大して富が偏在し、製造業が衰退し、中間層が弱体するといった負の部分も見られ、昨年(2016年)は英のEU離脱や、トランプ政権の誕生、自由主義から保護主義への移行など、反グローバリズムの政策転換も顕著な年となった。グローバルは曲がり角を迎え、ひずみを修正しながら進まざるを得ない時代となっている。今こそ、日本は情緒と和の文明を誇るべきと筆者は警鐘を鳴らす。「管見妄語」シリーズの中でも筋の通った一冊である。
                                                       

『選択の科学』(シーナ・アイエンガー)
   水田 真太郎
                                                     
 
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