『相談課便り』第49号
「教育相談課について」
教育相談課では「安心して相談できる場」の提供を最も重要なこととして考えています。深刻な相談だけでなく、ささいな気がかりであっても、どうぞお気軽にご相談ください。面接相談と、電話相談の両方を行っています。また、生徒からの相談だけでなく、保護者の皆さんや教職員からのご相談にも対応させていただきます。スタッフは13人で、次のような方針で相談活動を行っています。
①相談に来た人を主人公とします
無理に話をさせられたり、解決方法を強要されることはありません。あくまでも相談に来た人が主人公です。
②秘密は厳重に守られます
相談をする過程で知り得た個人に関わる情報や、相談の内容は、相談に来た人の了解なしに第三者に(例えば、担任の先生・顧問の先生などでも)話すことはありません。ただし、命にかかわるような場合や犯罪に巻き込まれる可能性の予測されるような場合は例外とします。しかし、このような場合もできるだけ本人の了解を取ることを基本としています。
③気持ちを大切に、共に考える姿勢で対応します
相談室では、魔法のような解決策が用意できるわけではありません。不登校の人が相談に来た翌日からすぐに登校できるような方法を提供できるとは限らないのです。だったら、相談しても仕方がないでしょうか?…いいえ。相談室では、相談に来た人の気持ちを大切にしながら、これからどうすればよいかを共に考えることはできると思っています。今の在り方をまずは受け入れることから始めて、本人の意志を尊重しながら、共に考える姿勢で取り組んでいます。
④予防的・開発的教育相談も提供します
教育相談として一般的に考えられている、悩み相談やカウンセリングなどは、問題解決的教育相談です。相談室では、こういった取り組みのほかに、リラクセーションや自己理解、コミュニケーションスキルなど、予防的・開発的教育相談も紹介しています。これらは、よりよく生きていくための指針になったり、問題が発生するのを未然に防ぐことに役立ったりするものです。
⑤特別支援の観点からも細やかに対応します
特別支援教育コーディネーターの信宮先生を中心に、スクール・カウンセラーの先生、校医の先生、相談課のスタッフおよび担任など関係の先生方と連携することで、より効果的な支援ができるように対応します。
「学校医によるこころの健康相談」
本校では精神科校医の中野善行先生による「こころの健康相談」を計画し、各回ごとに文書でご案内を差し上げています。専門のお立場からのアドバイスやご支援をいただくことができます。本年度の第1回目(6月1日)は終わりましたが、このあと7月・9月・11月に実施する予定です。
「スクール・カウンセラーによる相談」
昨年度に引き続き、スクールカウンセラーとして森口章先生に来ていただいています。先生は高校教師をご退職後、現在は「沢田の杖塾」を主宰され、山陽新聞の相談欄を担当されたり、講演会に回られたり、多方面で活躍されています。本校では、年間12回にわたって生徒や保護者の相談に応じていただいたり、研修会や事例検討会などにもお力添えをいただく予定です。今後の来校予定は以下の通りです。
6/23(金) 7/26(水) 8/25(金) 9/29(金) 10/18(水) 11/14(火) 12/19(火) 1/16(火) 2/20(火) 3/16(金)
*「こころの健康相談」「スクールカウンセラーによる相談」は予約が必要です。
教育相談課(柴田みさえ・神田美紀)または担任までお申し込みください。
TEL 272-1271(岡山朝日高校)
「生徒のセクシャルハラスメント等の相談」
生徒のみなさんがセクシャルハラスメント等のことで相談したいときには、次のスタッフが対応させていただきます。担任も相談に乗ります。
柴田 みさえ(英語科・教育相談課長)
大口 正行(保健体育科・保健主事)
永田 宏子 (地歴公民科・教育相談係)
神田 美紀 (養護教諭・教育相談係)
門間 紀子 (英語科・教育相談係)
「ピア・サポート活動」★支え合う心を育て、あたたかな学校風土作りを目指します★
生徒の間に相互支援の力を育てるピア(仲間)サポート(支援)活動を、本年度も実施します。
この活動を通じて、生徒が自己肯定感を増し他者を尊重し(自重互敬)、いじめや不登校の起こりにくいあたたかい風土が築かれることを目指しています。人の間で生きていく中で、誰かとつながっているという思いはとても大きな力を与えてくれます。
希望者を募り(6月)、トレーニングを行い(6~8月)、夏休み後半から実際の活動に入ります。その後は、活動を報告したり新たな取り組みを考えるフォローアップセッションを実施します。トレーニングでは、「話の上手な聴き方」「自己理解」「リラクセーション」「対立の解消」などについて学びます。この活動を通して、たくさんの笑顔に出会わせてもらっています。将来、教師や医師・看護師・保育士などの仕事に就きたいと考えている人には、ぜひとも学んでほしい内容ばかりです。本年度もたくさんの生徒の参加を待っています。
★過去の活動の様子を岡山朝日高校のホームページで見ることができます。
「LHRでの活動」
教育相談課では、クラス内の「人間関係作り」を少しでもサポートできるように、LHRでの活動も計画実施しています。主なものとして、次のようなものがあります。
・「ケータイ安全教室」(生徒課・人権教育委員会と連携)1・2年生対象(6月29日)
・いじめ悩み調査(3年生5月25日、1・2年生9月13日)
・「話の上手な聴き方」1年生対象(11月16日)
・ストレスとの上手な付き合い方~リラクゼーション 2年生対象(1月18日)
クラスでの活動を通して、協力し支え合う大切さを感じる機会になればと考えています。またいじめはもちろん悩みを抱える生徒の心の声を聞くことができるように、「いじめ・悩み調査」も大切に考えています。調査の結果については、12月号で報告させていただく予定です。
「29年度 相談課スタッフ自己紹介」
赤澤 明 Akira Akazawa(3年B組乙担任・英語)
レジリアンス(Resilience)という英語が社会生活の様々な場面で使われているようです。「強い負荷がかかってもしなやかに元に戻る力」という意味ですが、ストレスの多い日々の生活の中で常に「復元する」ための工夫をしたいものです。先生や友人に話を聞いてもらうだけで元気が出ることもあれば、たまたま本屋や図書館で見つけた本から新たな視点をもらうこともあります。
永田宏子 Hiroko Nagata(3年A組乙担任・世界史)
1年I組の授業のために,北棟東階段を上がっていくと,操山の新緑にハッと目を奪われます。今のみなさんは,長い人生から見るとまさにこの新緑の季節の中にいるのですが,その渦中にいると何かしら心配の種がつきないようです。みなさんが太陽の日差しをいっぱいに葉に受けて,ちょっとずつ成長していくお手伝いをしたいと思っています。
信宮優子 Yuko Shingu(3年C組甲担任・英語科)
夏野菜のおいしい季節になりました。野菜は好きですか?野菜の味は切り方で変わるそうです。繊維にそって切ると細胞が壊れにくくなり、含まれる苦みなどの成分が出にくくなるとか。例えばピーマンは「ヨコ」ではなく「タテ」に切るとあまり苦くないそうです。苦手なモノもちょっとした工夫でつきあいやすくなります。野菜嫌いさん、お試しあれ。
橋本美未 Yoshimi Hashimoto(3年D組甲担任・国語科)
昨年は、高校の同期の同窓生と話す機会が何度かありました。お互いに朝日高校を卒業してから大学生活・就職・結婚などを経験しながらも、高校時代の話をすると一瞬で十年以上(数十年?)遡って盛り上がれる。つながっていないようでつながっているんだなと実感しました。今年も目に見えないつながりがたくさん生まれることでしょう。どうぞよろしくお願いします。
小網晴男 Haruo Koami(補習科担任・理科)
私たちは,これから何処へ向かおうとしているのか?宇宙の歴史や地球の歴史を紹介しながら,答えの出ない問いに悪戦苦闘しています。如何なる成長段階であっても,”The important thing is not to stop questioning.”は重要ですね。今日も生かされていることに感謝しながら,物理準備室や多目的教室に生息しています。一度,始祖鳥のレプリカを見に来ませんか?
内田康晴 Yasuharu Uchida(2年G組乙担任・数学科)
新しいクラスにはなじめましたか?前の学年の仲のよかった友達と離れ,ちょっと寂しい思いをしている人がいたら,おすすめは,複数でする仕事に積極的に参加することです。小さなことや単純作業でかまいません,機会があれば是非一歩踏み出して参加しましょう。人との共同作業の中で,よい人間関係が芽生えていくと思います。
門間紀子 Noriko Kadoma(2年G組甲担任・英語科)
ある歌に”Count what you have now. Don’t count what you don’t have.”という詞があります。他人と比較して今自分に足りていないことにばかり目を向けて,苦しい思いをしている人もいると思います。今頑張っていて少しでもできるようになったことがあれば,それにも目を向けて自分を褒めることもしてください。気軽に声をかけてくださいね。
竹内直志 Naoshi Takeuchi(2年I組甲担任・地理)
最近、都民ファーストだの、アメリカファーストだのと、周囲のことよりも自分中心に物事を考える空気がとても気になっています。一方で、自然の中に身を置くと多様性の中にある秩序や、美しさに気付かされたりします。思い悩んだ時には深呼吸をして、夜空を眺めれば何かに気づかされると思います。「真砂なす 数なき星のその中に 吾に向かいて光る星あり」とあるように子規も夜空を見て何かを感じたのでしょう。教育相談課1年目ですが、よろしくお願いします。
荒江昌子 Akiko Arae(1年B組乙担任・国語科)
文楽が好きだ。昔、大阪の朝日座というところで文楽が上演されていた頃は、おばちゃんたちがハンカチを持って楽しそうに観劇している姿があった。ハンカチは悲しい場面で泣く準備である。自分の悩みをちょっと「置いといて」、他人の人生に涙するのもいいものです。「ローグ・ワン」でもアニメ映画でも。
松北髙行 Takayuki Matsukita(1年D組乙担任・音楽科)
新学年になり、ハッと気づくともう6月。「 あれもこれもがんばらないと・・・。」と、毎日忙しく過ごしてきたみなさん、この2ヶ月を少し振り返って、がんばってきた自分を褒めてあげて下さい。そして何か困っていることがあったら、いつでも声をかけて下さい。一緒に考えましょう。
竹内梨子Riko Takeuchi(保健体育科・1年団所属)
過度なストレスを抱えていませんか?成長するために役立つストレスもありますが限度を超えたストレスは、心にも体にも大きく影響します。皆さんのストレスマネジメントのお手伝いが少しでも出来ればと思っています。まずは寝る前に7つ良いことを探して寝てみてください。小さな事で良いんです。翌朝すっきり起きられるはず。
神田美紀 Miki Kanda(養護教諭・1年団所属)
みなさんは「心身相関」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この言葉は「心」と「身体」という、一見対照的に存在しているような二つのものが相互に関係し、一体のものであるという見方を意味します。「心」が元気になると「身体」も元気に。その逆もよく保健室では目にします。私は、あなたの「心」と「身体」が少しでも元気になるお手伝いが出来たらと思っています。気軽に保健室を来てくださいね。
高山あゆみ Ayumi Takayama(養護助教諭・2年団所属)
朝日高校に来て1年と2ヶ月が経ちました。1年生の皆さんは新しい学校、新しい友達、在校生のみなさんは新しいクラス。これからの日々が楽しみでドキドキする反面、緊張や不安からのドキドキがたくさんあったと思います。家に帰ったら課題や予習等あると思いますが、自分なりのリラックス方法でしっかり心と身体を休めてくださいね。ちなみに私はベリーダンスでリフレッシュしています。1年間よろしくお願いします。
「世界は広い」
柴田 みさえ(1年H組乙担任・英語科・教育相談課長)
大学生の頃、サンフランシスコの国際空港に到着した時は,とにかく嬉しくて踊り出したくなった。英語力を伸ばすための留学というのは表向きで、本当は自由に自分の思うとおりにやってみたいと、海外逃亡を企てたのだった。父親が教員だったからか、小さい頃から周りの人によく見られている気がしていた。地元のおばちゃん井戸端会議はなかなか手強かった。「今日は友達と賑やかに帰ってきてたね」とか「この間は赤い服を着ていたね」とか、えっ!どこで見てたの?と思うこともしばしばあり、そのせいか何となく「いい子」でいなければならない気がしていた。「お父さんに迷惑がかからないようにしてね」という母親の言葉も無意識に刷り込まれていたのかもしれない。学校は休まない。宿題はちゃんとやる。良い成績をとる。友達とつるまない。家の手伝いは必ずする。などなど「いい子」の条件は限りない。私の母は子供の反抗期で苦労した記憶が無いようだから、大人しくしていた反動が一気に留学へと私を導いたのだろう。空港に溢れている英語を聞いて、自由の国にとうとうやってきた!現代版ピルグリム・ファーザーズだと思った。単位が取れる程度には勉強し、門限など気にせず、遊びたいだけ遊んで、誰にも干渉されない生活を楽しむつもりだった。しかし、ルールや束縛するものがあってこそ、破ったり、逃げ出したくなるようで、それらがなくなると、自分でルールを決めたこともない私はどうしたらいいのかさえわからなくなった。「いい子」でなくてもいいのに、「いい子」しかできない。「脱いい子」の挑戦として、思い切って授業をサボってみる。すると食堂でばったり授業担当の先生に出くわす。やっぱり、「体調不良でした」と「いい子」の言い訳をする。考え抜いた言い訳だったのに、先生の方はあっさり「わからないところは質問に来なさい」と欠席の理由など興味がない。宗教的な考えは生活に深く影響しているだろうと思っていたが、日曜も教会に行かない学生もいる。理由は「教会に来て欲しいのなら、神が俺を間に合うように起こしてくれればいい」と信仰心があるのかどうかわからない。生活をしているうちに、自分がこうでなければならないと思い込んでいたことが、他の人には必ずしもそうでなくてもいいこと。さらに、様々な国から来ている留学生は、理想の自分というより、自分のなすべきことをしっかり心に持っていることがわかってきた。留学前の私は他人から見た場合こうでなければならないという自分自身で作り上げた枠組みに自分自身を閉じ込めていただけだった。私を不自由にしていたのは、父親の職業ではなく、もちろん井戸端会議のおばちゃんでもなく、自分自身のものの見方だと様々な価値観の存在するアメリカで学ぶことになった。このことが良かったのか悪かったのか、現在とても楽天的な性格(?)になっているようだ。